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窮地にある企業を救済するための最善策:成功例

イントラリンクスの新しいシリーズでは、NYC Advisors, LLCのマネージングパートナー兼CEO、ヨアブ・M・コーヘン氏に企業の業績回復についてお話を伺います。今回のお話では業績の回復に成功した企業の例についてお話を伺います。

Successful Corporate Restructuring Stories

第1回目では、事業計画や工程表を書面として作成することの重要性とともに、コスト管理の素早い決断方法、従業員の対処について説明しました。また第2回目では顧客、ベンダー、銀行関係者、税務関係者の対応についてお話ししました。

これまで2回にわたってお話ししたステップに従ったいくつかの企業が見事に業績回復に成功しています。今回はこのプロセスを導入した企業の成功例をご紹介します。これらの成功例を示すことで、その明確で反復可能なプロセスがどのように成功をもたらすことができるかについて説明したいと思います。

米国の5000万ドルの公共電気通信事業者は、450万ドルの赤字から2年間にそれぞれ200万ドル、280万ドルの黒字に転換しました。その手順を見ていきましょう。

  1. 既存の生産ラインを見直し、450万ドルの赤字の大半を占めていた不採算事業を整理。
  2. オフショアおよび国内サプライヤーとの交渉を通じ、売上原価(COGS)を18カ月間で250万ドル削減。
  3. 経理部門を再編し、月次決算を17日から5日へと加速。
  4. 新しいソフトウェアシステムを導入し、効率を改善し、インサイトに富んだ管理レポートを作成(例えば日次ダッシュボード、週次、月次、四半期ごとの主要業績指標など)。
  5. 3企業の買収、製品レンジの拡大、収益増と純利益増。こうした成功は、企業幹部が作成した工程表と、前回までお話しした行動計画に沿ったステップの導入による結果と言えます。特に、この企業は主要顧客とサプライヤーとのミーティングに注力しました。これによりキャッシュをコントロールでき、不要なコストの削減を実現しました。サプライヤーと協力して製造コストを削減する一方、全主要製品の見直しを図り、主要な製品を通じて全体的な業績好転に成功しました。また取締役会の再編とともに新しい幹部を採用し、全従業員と協力して業務を行いました。全体的なプロセスを通じて、この企業の全ての取引銀行が関わることで、同企業が3社を買収するための融資限度が与えられ、買収を実現したことで事業を成功させたことは、銀行にとって十分に満足のいく結果をもたらすことができたといえます。

公開企業として世界的な医薬品会社は、第一四半期には23万5,000米ドルの赤字だったものの、年度末には税引前利益79万米ドルの黒字に転じ、翌年の第一四半期には税引前利益が110万米ドルへと成長しました。

  • 全社的な管理体制の再編とインフラの導入により新しい財務レポートを作成。
  • イスラエルとカナダで新しい財務およびEBPシステムを導入。
  • CPA企業と協力し、将来に向けた税金計画プログラムを作成する一方、諸税金を70万米ドル削減。
  • 取引銀行との間で融資限度を見直すための話し合い。
  • 主要担当者を新しい専門家と入れ替える。ここでも前回お話しした計画表が役に立ちます。それにより取締役会が目先の問題に集中することができるからです。社外関係者と連携する。この事例ではCPAが非常に積極的な手助けを行ってくれました。具体的には新しいグローバル税務戦略の作成と導入、内部統制の強化、新しいソフトウェアシステムの導入などです。

乗り越えることのできない状況はめったにないものです。問題が存在することを認識し、それに断固として対処することが成功に結び付くカギとなります。何より重要なことは、助けを求めることは良いことなのです。あなた自身のスキルが十分でない場合、それに対応できる専門家に連絡をとり、窮地にある状況から企業を好転させるか、あるいはベストな価格で売却するためのアドバイスを求めることです。

Yoav M. Cohen