Recap: 「M&A情報のリークはなぜ起こるのか?」--ジャパンM&Aフォーラム2019でのプレゼンテーション--
2019/4/23イントラリンクスの栗原 勇将が、ディールメーカーを対象に行った、世界的なM&A情報のリークのトレンドに関する研究の結果についての講演内容を振り返ります。

4月10日、「MergermarketジャパンM&Aフォーラム2019」で、世界的なM&A情報のリークのトレンドに関する講演を行いました。当日はM&Aプロフェッショナル約300名が汐留のコンラッド東京に集まりました。
日本だけでも年間数千件 のM&Aディールが行われています。イントラリンクスとイギリスのシティ大学ロンドン カスビジネススクールの共同研究では、2009年1月1日から2017年12月31日までの9年間に全世界で公表されたM&Aディールを精査しました。この期間中のサンプルデータ7201件を詳細に分析した結果、平均7.7%で、情報がリークした可能性を示す、ディール公表前の不自然な株価の変動などの兆候が認められました。
売り手側は、ディールを早く完了し、最高の金額で取引を行うことを常に望んでいます。しかしディール情報のリークは市場における不正行為と考えられているため、企業を法的なリスクにさらすことになります。加えて、リークがあったというニュースが報道されれば、企業イメージや株式市場の信頼を失墜させる結果につながります。
そこで、M&A情報のリークという行為が、それらのリスクを上回るほどのメリットをもたらしているのかということを、次の4つの指標を使って検証しました。
- より高額な買収プレミアムを獲得することができるのか?
- 買収をもくろむ企業の間で入札競争が発生した結果多くの買い手候補を得ることができるのか?
- ディールの公表から完了までの期間を短縮することができるのか?
- ディールが成立する確率が高まるのか?
本調査の内容や解説、観点について、会場内のディールメーカーの皆様には高いご評価をいただきました。「M&A情報のリークに関する年次レポート2018年版」は、こちらのページよりダウンロード可能です。

栗原 勇将
2014年にイントラリンクスに入社。外資大手投資銀行への営業活動を担当。ドキュメントやコンテンツの交換と管理を組織間で安全に行い、ディールプロフェッショナルの生産性向上を実現するイントラリンクスのSaaS(Software-as-a-Service)ソリューションの導入を推進。2017年に日本オフィスのセールスチームリードに着任。入社以前は、ブルームバーグで営業を担当。日本とオーストラリアのソフトウェア業界で10年近い経験を持つ。