窮地にある企業を救済するための最善策:不意打ちは誰にも好まれない

イントラリンクスの新しいシリーズでは、NYC Advisors, LLCマネージングパートナー兼CEOのヨアブ・M・コーヘン氏に企業の業績回復についてお話を伺います。今回のブログでは、窮地にある企業を救済するための方法についてご紹介します。


2020/4/29

Turning Around Distressed Companies

第1回目では、事業計画や工程表を書面として作成することの重要性とともに、コスト管理の素早い決断方法、従業員の対処についてヨアブ氏のお話を伺いました。第2回目は、窮地に陥った企業の救済に向けた次のステップについて同氏が解説します。具体的には顧客、ベンダー、銀行関係者、税務関係者の対応についてです。

あなたの事業を守るための重要なステップ

窮地にある企業を救済するには、まず全てのステークホルダーを企業側につける必要があります。これは社内の同僚や従業員に加え、社外の関係者と話し合いを持つことを意味します。様々な理由により難しいこともありますが、プライドを捨て、社外の人たちとも踏み込んだ話し合いを持つことが成功に向けて不可欠です。現在の自主隔離や事業閉鎖が行われる状況においては、人々はあなたの事業が置かれた状況にむしろ同情し、支援してくれることが考えられます。こうした中、最も危険なことは、あなたの事業が望まないような方法で社会の目にさらされることより、むしろ事業のうわさやニュースが流れたり周りから管理されてしまうことでしょう。この点に関して、次は社外の個々のステークホルダーにどう説明すべきか、お話しします。

ステップ1:主要な顧客に会う(可能であれば実際に面会する)

多くの場合、顧客はうわさ話から情報やデマなどを耳にします。それにより顧客は不安になり、別のサプライヤーを探すようになります。うわさが流れる前に手を打つことです。顧客に連絡を取り、あなたの状況を説明し、どのように対処する計画か、相手を安心させるように、ただし嘘をつくのでなく、話をすることです。誰も不意打ちを食らいたくはないものです。むしろ顧客は、詳しい情報が得られることであなたに協力するでしょう。長期にわたって事業を閉鎖した後に、業績を回復させることは難しいことかもしれません。しかしそれはあなたの顧客にも同じことが言えるでしょう。顧客と協力しサポートを求めることで、事業を再スタートさせることができるはずです。

ステップ2:主要なサプライヤーに会う(可能であれば実際に面会する)

あなたの会社のサプライヤーも、自分たちの顧客の一社が窮地に陥っているとのうわさを耳にして、不安を感じているかもしれません。実際、あなたのサプライヤーと彼らの事業も隔離規制の影響を受けている可能性が高いため、特定の問題に関する支払い計画やそうした問題への対処方法について、それぞれのベンダーと話し合う必要があります。さらに新規受注に関しては従来より長い支払い期間を提案すべきです。そして同時に新しいサプライヤーを探し始めます。彼らはあなたが現在置かれているキャッシュフローの問題を知らず、あなたにとって有利な支払い条件を提案する可能性があるからです。あなたの事業閉鎖前の信用度が高かった場合は特にそうでしょう。たとえ彼らが信用調査を行い、事前支払いを要求したとしても、キャッシュフローの点からいえば、現在のサプライヤーから代金引き換えの納品(COD)や、古い債務支払いを要求されるよりはましと言えます。究極的にはあなたのベンダーも顧客を失いたくはなく、あなたの成功が彼らにとっても重要なのです。そのため連絡を取り合う限り、通常は業務に協力してくれるでしょう。

ステップ3:税務関係者に連絡する

米国税庁(IRS)および多くの地域では2019年の確定申告の期限を延長したり、柔軟な支払い方法が提示されています。詳細に関してはIRSウェブサイトや居住地域の税金に関するウェブサイトで確認できるほか、会計士に相談してください。期限までに納税できない場合、監督先の税務当局に通知し、支払い方法について話し合いをすることです。IRSはまた雇用税前払い金についても期限を延長しています。一方、従業員の給与所得の源泉徴収の支払いは期限内に行うことが重要です。政府に代わってあなたが従業員から徴収した給与税を支払わないことは、違法行為となるためです。実際には自己責任を問われ、懲役刑となることがあります。また従業員の確定拠出年金401(K)および医療貯蓄口座(HSA)の源泉徴収に関しても、給与支払い直後に401(K)およびHSAプラン担当者に振り込まなければなりません。事業者の中には、納税やファンドの振り込みを回避しようとする人が想像以上に多いものですが、どのような状況であっても、そうした行為はあり得ないことを強調しておきます。

ステップ4:取引銀行に連絡する

銀行関係者との話し合いにおいては面会することが重要です。(もちろん新型コロナウイルス感染の状況ではビデオ会議も一つの手段です)悪いニュースだけでなく今後の行動計画についても説明しましょう。自信をもって相手に納得してもらえるよう、サポートに向けた具体的な要望を伝えます。取引銀行もあなたの事業に関わっていることから、あなたが率直かつ正直に話をすることで協力してくれるでしょう。

結論

以上のステップに従うことで時間を稼ぐことができ、ステークホルダーを敵にするのでなく、あなたの側につけることができるでしょう。窮地の状態にある事業を好転させるには、サポートネットワークを作ることが不可欠であり、それにより難しい状況であっても重要な関係を維持することができるでしょう。

第3回目では、こうしたステップに従って事業を好転させた企業の例をお話しします。



Yoav M. Cohen

ヨアブ・M・ コーヘン

ヨアブ・M・コーヘンはNYC Advisors, LLCのマネージングパートナー。同社は企業再編および業績回復プランのサポートにおいて、臨時および非常勤CFOを駐在させるほか、その他の収益回復に向けたアドバイスを行っている。これまで同氏のクライアントが破産申請したケースはなく、すべてのケースにおいて業績回復あるいは破産を回避するための事業戦略が奏功している。

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