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今後のグローバル・プライベート・マーケットへの投資

競争力のあるリターンを提供している戦略とセクターについて議論したプライベートエクイティのベテランたちによるパネルディスカッションのハイライトです。

Intralinks-Alternative-Investments-Summit

SS&Cイントラリンクスのオルタナティブ投資グローバル・バーチャル・サミット2021の一環として、私は「グローバル・プライベート・マーケット投資:GPの新たな方向性 」と題するパネルディスカッションの司会を務めました。このパネルディスカッションでは、DCM Venturesの共同創設者で、ImpactVCのジェネラルパートナーであるディクソン・ドール氏、Marquette Associatesのマネージングパートナー兼マネージャー・リサーチ・ディレクターであるナット・ケロッグ氏、クレディスイス・アセット・マネジメントのマネージングディレクター、ポートフォリオマネージャー、オリジネーション責任者であるケビン・ロウイ氏がさまざまな角度から議論を交わしました。

このパネルディスカッションでは、競争力のあるリターンを提供している戦略とセクターについて議論されました。パネリストには、オルタナティブ投資、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタルなどの最新動向について意見を求めました。

議論は、今後12カ月間に期待されるパフォーマンスについて検討するところから始まります。ケビン氏は、バリュエーションやエクイティのリターンに関する懸念が広がっていることを指摘しました。多くの場合でリバランスが必要となり、プライベートクレジットへの移行が適切な代替案になるかもしれないと彼は説明しています。

ディクソン氏は、パンデミックによって多くの分野でイノベーションが加速していることから、投資家は画期的なテクノロジーへの投資を検討するかもしれないと述べました。さらに「ベンチャー(キャピタル)にとって今は素晴らしい時だと思います。経済サイクル全体で多くの分断が生じており、それがイノベーションにつながるからです」と付け加えました。

アロケーションの将来

SS&Cイントラリンクスの2022年LP調査によると、投資家の72%がオルタナティブ投資へのアロケーションを増やす計画だとしています。この傾向は翌年も続くと思うかどうか、パネリストたちに尋ねました。 

ナット氏の見解は、この分野は現在も相当な勢いを保っているということでした。「資金調達のタイムラインは短期化しています」と説明しています。「かつては4年や5年でしたが、現在は2、3年です。ですから多少の循環はあると思いますが、来年も忙しい年になると思います。」

ケビン氏も「これはトレンドになっていて、当分の間続くと思います」と同様の意見でした。

また、今後12カ月間にインフラや民間債券市場など、オルタナティブ投資の他の領域において予測される動向についても議論されました。ナット氏は、インフラ分野の将来性を指摘しました。「インフラ分野には明らかに資本の需要と必要性があると思います」と語っています。「私たちはその分野へのアロケーションを推奨していますし、実際クライアントが、さらに投資していることを確認しています。」

「プライベートクレジットの利点は、さまざまなタイプの市場に投資できることです」とケビン氏は付け加えます。「これはコロナ禍に顕著でした。同様に2015年、そして2018年にボラティリティが高まった時期にも見られました。銀行や公開市場が混乱している際、変調をきたす市場にプライベートクレジットが介入し、リスクプライシングを行うことができます。」

インフラ以外にも、ディクソン氏はインパクト投資の利点を強調しました。「今後しばらくは、その領域に潤沢な資金が流れるだろうと考えています。ベンチャー(キャピタル)が手をこまねいているとは思えませんね。むしろ、加速するでしょう。」

潜在的な逆風

こうした市場の明るい側面が見えても、パネリストらはその道のりにはいくつかの障害があることも予想しています。特にインフレがそれぞれの分野で常に話題となるテーマであることに意見が一致しました。

「たくさんの人が、インフレは大きなリスクであることに同意しています」とケビン氏は説明します。「投資先企業からの収益には今のところ反映されていませんが、警告しておきましょう。まだ始まっていないということです。」

ナット氏は「長い間、クライアントとのミーティングで誰かが(インフレを)話題にすると、私たちはこう言っていました。『実際に考えたり心配したりするようなことではないよ』と。 今は違うと思います。5年前よりも現在の方が確率は高まっています」と付け加えました。 

しかし全体的に見れば、パネリストたちはインフレに対する大きな懸念を表明しませんでした。「あまり心配していない」 とディクソン氏は語っています。「一定のインフレは起こるでしょうが、劇的で問題のあるようなものになるとは思えません。」

ディクソンさん、ナットさん、ケビンさん、興味深いお話をしていただいたことに感謝します。下の再生ボタンをクリックすると、ディスカッション全体をご視聴いただけます。

Meghan McAlpine