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オルタナティブ投資、テクノロジー、ESGに待ち構える困難な道のり

今後18か月の間にオルタナティブ投資業界に待ち構えているものは何か?業界の専門家で構成されるパネリストたちが議論を交わします。

オルタナティブ投資、テクノロジー、ESGに待ち構える困難な道のり

プライベートマーケットは、新型コロナウイルスによるパンデミックが始まった2020年第1四半期に不確実な現実に直面しました。ポートフォリオ企業の見直し、戦術の練り直し、新たな戦略の見直しが行われ、その後の回復では市場の回復力が示され、リミテッドパートナー (LP) とジェネラルパートナー (GP) の両方に機会が増えていることを指し示しています。

最近開催されたSS&Cイントラリンクス・オルタナティブ投資グローバル・バーチャル・サミット2021では、この分野で経験豊富なパネリストをお招きしました。Aetos Alternatives Managementの共同創設者兼最高投資責任者であるアン・キャッセルズ氏、ナスダックの投資インテリジェンス担当執行副社長であるローレン・ディラード氏、イリノイ市退職基金の最高投資責任者であるアンジェラ・ミラー=メイ氏に、現在の市場とボラティリティについてお話を伺いました。

SS&Cイントラリンクスのグローバル・マーケット・インテリジェンス・マネージャーであるエリザベス・リムが司会を務め、パネリストは、業界でテクノロジーが占める役割の拡大や、新たに注目される環境、社会、企業ガバナンス (ESG) 指標が、LPとGPの意思決定にどのように影響を及ぼすか、さらに他の関連トピックを掘り下げました。

シートベルトを締めよ:前方に乱気流あり

3人の参加者全員が感じていたことは、私たちはしばらくの間、不安定な状況の中で生きていくことになるだろうという点と、利害関係者はアンジェラ氏が言うところの「居心地の悪さに慣れる」必要があるという点でした。彼女は次のように自分の考えを語りました。「ボラティリティの上昇が当たり前になるはずです。」 「少しの間目を離している間に世界が爆発するみたいでした。それが毎日のように起きているんです」 と日々の体験について説明しました。

しかし、日々の混乱や将来的な修正が予想されるにもかかわらず、パネリストたちは投資家がそうした難局を乗り切って、必要に応じて方向転換するだろうと感じていました。ナスダックの観点からローレン氏は次のように説明しています。「市場から人々が退場していることを示すものは何もありません。問題は『彼らがどこに向かっているか』だと思います。」

アン氏は、これはタイミングがいつなのか、そして焦点がどこに当てられているかという問題でもあると付け加えました。「オルタナティブ投資について言えば、戦術的に投資することはできないということです」と彼女は語っています。「関連する時間枠を常に念頭に置いておくことが重要です。時間のかかることは時間をかけ、実際に実行できることには短期的なエネルギーを注ぐだけです。」 

テクノロジーが担う役割の拡大 

またパネリストらは、テクノロジーが業界全体でより大きな役割を果たしており、今後もその役割を拡大していくだろうという考えで一致しました。ローレン氏は、ポートフォリオ全体がより複雑になっていることに着目しました。彼女の組織全体で一致している意見は、資産所有者は常により速く、より一貫性のあるデータを必要としているということです。彼らにとって重要なのは、アセットクラスにかかわらず自らのポートフォリオを新しく多様な観点から確認できることです。

アンジェラ氏はこの点について同意し、テクノロジーへの依存が高まるのは当然の結論であるものの、過去2年間に起きたことによってその移行が加速していると指摘しました。「私たちはすでに現在の世界に向かって進んでいたと思いますが、パンデミックはより実用的な形で現状へと押し進めたと思います。」 

一方、アン氏はこうした新しいテクノロジーはすべて、意思決定者の支援や機会の発見に役立つものの、人間の知見を置き換えるものとして捉えてはならないと警鐘を鳴らし、「テクノロジーは思考の代わりにはなりません」と付け加えています。

ESGが投資戦略に与える影響

ディスカッションの最後の数分間は、ESGが投資戦略に与えている影響に焦点が当てられました。投資家の一人であるアンジェラ氏は、今やESGが組織のデューデリジェンスプロセスの大きな​​部分を占めていると語っています。「私たちにとってESGは、経営者の戦略の持続可能性について、より多くの情報を提供するツールの1つにすぎません。私たちはマイノリティの女性や障害者が経営する企業に、23% 以上、 120億米ドルを投資しています。」

アン氏は、ESGは単にオープンにするだけではなく、ESGに焦点を当てることで戦略的なメリットやより重要な洞察が得られると付け加えています。「多様な意見が集まれば、私たちが把握し共有できる情報の質が向上します」と同氏は語っています。

ナスダックの立場からローレン氏は、ここ数年ESGへの注目が本格化していることを理解しています。「昨年にはESGの基準などが検索される件数が2倍になったことを確認しました。ですから、人々が自分の投資基準について考えているとき、(彼ら)はESGを投資調査に組み込んでいるのです。」

以下から基調講演をご視聴ください。